2018/11/4 乳牛のプレシンクとオブシンクの併用における、ホルモン剤の有無、回数、処置期間の違いが及ぼす影響についての論文を読んでみた


乳牛のプレシンクとオブシンクの併用における、ホルモン剤の有無、回数、処置期間の違いが及ぼす影響についての論文(10.3168/jds.2018-14653)を読んでみた。

  • 【背景】プレシンクやオブシンクには様々な手法が混在している。
    プレシンクにはPG-3-Gプログラム (PGF2α–3 d–GnRH–7 d–Ovsynch)、G-6-Gプログラム (PGF2α–2 d– GnRH–6 d–Ovsynch)と従来法であるダブルオブシンク (GnRH–7 d–PGF2α–3 d–GnRH–7 d–Ovsynch)がある。
    オブシンクには、5日間でPGF2α2回投与のプログラム (GnRH-1–5 d–PGF2α–24 h–PGF2α–32 h–GnRH-2 + timed AI) と7日間でPGF2α1回投与のプログラム(GnRH-1–7 d–PGF2α–56 h–GnRH-2–16 h–timed AI)がある。
  • 【目的】①プレシンクとダブルオブシンクの優位性の比較(PG-3-G vs. Double Ovsynch)、②オブシンク期間の比較(5 d vs. 7 d)、③PGF2αの投与回数の比較 ((2 × 25 mg) 24 h apart versus 1 dose (1 × 50 mg) of PGF2α administered 72 h before timed AI.)
  • 【材料と方法】3回搾乳 のホルスタイン種経産牛406頭をランダムに2 × 2 × 2の計8群の処置を行った。採血と超音波検査を継時的に行い、それぞれのポイントで各種評価を行った。
  • 【結果】①オブシンクの開始時において、排卵及び黄体形成のあった牛の比率は、Double OvsynchとPG-3-Gで変わらなかった(86.2% vs. 87.9%、表1)。②オブシンク期間5 dかつPGF2αの1回投与では、黄体退行している割合が低かった(91% vs. 98-100%、図3)。③受胎率はオブシンク期間7 dかつPGF2αの1回投与が最も高かった(46.1%% vs. 29.9-39.3%、図5B)。
  • 【感想】最近の定時授精プログラムは省力化の検討についての論文が多いな。CIDR-Synchにしても初回のGnRH投与の効果は疑わしいっていうのはやはり頷ける。大規模牛群なら、WVP過ぎたら、プレシンクにPG-3-Gプログラムをかけてから、7日間でPGF2α1回投与のプログラム(GnRH-1–7 d–PGF2α–56 h–GnRH-2–16 h–timed AI)のオブシンクで繁殖をコントロールするのが良いって理解だな!

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