できそこないの男たち



できそこないの男たち
福岡 伸一著
相変わらず福岡伸一の生物学サスペンスは面白い!本書では、男を女から男に変えるSRY遺伝子の発見の舞台裏を中心に、男とは何なのかを考察している。
生物の基本仕様はメスである。しかし、Y染色体上にあるSRY遺伝子が働くことで、生物はオスへと改造される。SRY遺伝子が働いた結果精巣ができ、精巣からの男性ホルモンが男らしく全身を変える。
要点は以上だが、では、フリーマーチンとは何なのかが気になった。牛では、異性多胎で産まれると、メスが一部オス化してしまう。つまり、繁殖できるまでに至らず、牛乳生産に使えなくなる。
教科書を読むと、フリーマーチンでは一部がキメラになっているらしい。牛の多胎では胎盤構造から細胞がお互いに混ざるのだろう。精巣の元になる細胞が一部移れば、その細胞のSRY遺伝子が働き、フリーマーチンのメスはオスへと改造されるのだろう。

酪農家 獣医師:一緒に知恵を



 同僚の大先輩の本です。酪農を家業としながら臨床獣医師として働く著者が、実際の酪農の現場を両方の視点から見つめている。獣医学視点が入った酪農家話が満載で、参考になることが多い。
 特に繁殖、飼料、管理に関する記述は勉強になった。
自分へのメモ〈How to 飼料設計〉
①何が問題になっているかを明確化
②現状の飼料分析
③飼料設計開始。2産泌乳中期、乳量30キロでスタート。
・現状の内容を入力
・DMIを合わせる。体重の2%の粗飼料設計、乳量の3分の1の濃厚飼料という213ルールを意識する。
・繊維量を合わせる
・蛋白質を合わせる
・ミネラルを合わせる
④現場で意向を再確認して実行
⑤牛の観察。乳質の観察。
・乳質は乳脂肪、乳蛋白質、MUNをモニター
・乳量は落ちていなければOk
・糞は4-7日で変化
⑥長期的なモニターとフィードバック
・繁殖は15日から、長くても2ヵ月以内に変化する。

大哺乳類展



 そういえば、先日に国立科学博物館で行われている大哺乳類展へ行きました。
 シートン動物記にもスポットを当てる所が素晴らしかった。
 最後で哺乳類の危機にも触れていたけど、展示のバランス感覚って難しいと感じます。人によってはやりきれなく、目を背けたい所ですし。

完成



マーマレードが出来ました。なかなか良い出来です。
鴨川漁港でメリケンキアシシギも見たし、研究集会のスライドもはかどったし、総じて良い一日でした。
日々の充実感は家事の中にあるような気がします。