8/14 砂糖を用いた外傷治療4:クレーター型関節炎


飛節の関節炎の嚢胞が破裂した跡が、クレーターのようになってしまった牛がいた。
起立が難渋で、廃用を予感しつつも砂糖浸漬療法で治療し始めた。しかし、抗生物質を使わずに、なんと治りそうな所まできた!

初診時、クレーター内部の壊死組織はビーフジャーキーのように干からびていた。

デブリードメンするも、内部の組織は除去不能。このまま砂糖浸漬療法を試みる。

次週、膿が浸出するも、状態は変わらない。継続治療する。

さらに次週、ほとんど変わらない。諦めかけるが、再度治療を試みる。

さらに次週、なんと壊死組織を引っ張るとベロリと剥がれ、新鮮な肉芽が増生し始めていた。希望の光が見えてきた。さらに湿潤療法を試みる。

さらに次週、壊死組織が完全に溶けて、除去できた。内部から肉芽ができ、クレーターが小さくなっているのを感じる。

さらに次週。スゴイ。内腔がほとんど埋まってきた。組織が感染している様子はなく、順調に肉芽の増生が進んでいる。そのスピードも早い。

さらに次週。とうとう、クレーターが肉芽で埋まった。内腔はもうほとんどない。今週も、砂糖を用いた湿潤療法を継続したが、そろそろ終わりにして、乾かす方向へ進んでも良いかもしれない。
創傷治癒の過程がよく分かって、非常に興味深い!

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「8/14 砂糖を用いた外傷治療4:クレーター型関節炎」への4件のフィードバック

  1. 気持ちいい治りっぷりですね。
    やはり砂糖を使った方が肉芽増生が早いですか。
    自分は湿潤療法をやめて「乾かす」時は
    イソジンで消毒して包帯せず開けっ放しにしておくのですが、
    汚染されるので不良な肉芽が盛ってくることがあります。
    だいもでさんはどのようにしておられますか?

  2. >Qさん
    コメントありがとうございます。傷を乾かすのか否か、外傷治療はなかなか悩んでしまいますよね。
    乾かす方法は、確固たる方法はいまだなく、試行錯誤です。僕も糞の汚染が嫌なので、最近は伸縮性包帯のみで、長期間放置し、自然に乾くのを待っています。シッカロールで強制的に乾かしてしまう方法もよく耳にしますが、自分は試したことがありません。
    イソジンですか!機会があったら試してみます!

  3. 伸縮接着包帯を薄めにゆるめに巻いておけば
    うまく乾きそうですね。
    試してみたいと思います。

  4. ゆるすぎるとすぐに落ちてしまいますけどね(笑)。何度も失敗しております。。。
    飛節上を若干きつく巻くと落ちないのですが、今度は時間と共に包帯が食い込んでいくのが難点です。さじ加減が難しいですよね…。

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