10/15 子牛の腱短縮症はどっちの腱を切るべきか?


子牛の腱短縮症は、生まれつきナックルで生まれてきて、蹄で立てずに球節で立ってしまう。軽度なら、自然に、またはギブス固定で治る。しかし、重度だと、腱を切る手術をしてナックルを治すしかないと思う。
切るべき腱は、浅指屈筋か深指屈筋の腱のどちらか、もしくは両方だ。

左側の太い方が、浅指屈筋の腱。右側のやや細い方が、深指屈筋の腱。さぁ、どちらを切るべきなのか?
最近の事例から考えてみた。

患畜は両前肢が重度のナックルで、蹄で立てない。ギブス固定を試みるも、状態は変わらなかったことから、腱切断の手術をすることにした。

まずは、浅指屈筋の腱を切断した。しかし、そこまで球節は伸びず、ナックルは良化しない。かといって、深指屈筋の腱を切る勇気がなく、淡い期待を込めて、このまま縫合し、再びギブス固定をした。

手術後、何とか蹄の先端で立つことができている。が、ギブスに頼っている感じがする。。。

このまま10日ほど様子をみて、ギブスを外した。子牛は元気に立とうとするのだが、やはりギブスに頼って立っていたようでうまくいかない。なんとか蹄で立つのだが、姿勢が悪く不安定で、すぐにナックルになってしまう。あぁ、ダメだった…。このまま数日様子を見てもらうよう伝えたが、この時点で、僕は治らなかったと諦めていた。

さらに三日ほどして見に行くと、この子牛は元気に暴れまわっていた。姿勢はいまいちで前肢を伸ばすように立つが、なんとナックルは良化して蹄でしっかりと立てるようになっていた!これなら何とかなるかもしれない☆

解剖学の本を見ると、浅指屈筋と深指屈筋の腱は終止している骨が異なっている。深指屈筋の腱の方が、より遠位の骨に終止しているのが分かる。
つまり、球節のナックルが非常に重度な症例では、深指屈筋の腱を切った方が有効なのではなかろうか?
次にこのような症例に出会ったら、ぜひ試してみたい。

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