@道東2007まとめ


今回の北海道のまとめです。
MLに投稿したものがベースになっていますので、その点を留意して読んでください。


【@道東2007】
1月2日に出発し、苫小牧航路で北海道入りし、道東で1週間すごし、11日に戻ってきました。昨夏にお世話になった根室NOSAI別海支所で、再び牛の診療の実習に行ってきたのです。
今回も、例の如くフェリーをchoiceしました。安いというのもありますが、海鳥を見れるというのが一番の魅力です☆なんとなく、いつも誘いを断って悪いなぁと思っていたNさんを2,3日前に誘ったら、急遽彼も苫小牧航路に同行することになりました。さすが、彼はどこかおかしい…、ではなくて、鳥にかける執念に凄まじいものを感じる、と表現しておきましょう。
2日に箱根駅伝を見ながら慌ただしく準備をし、大洗港に向かいました。ついて、びっくりしたのがフェリー客その多さでした。確かにこの日は1便しかなかったとはいえ、正月にこんなに多くフェリーに乗る人がいるとは…。この日は早く風呂に入り、琥珀エビスで祝杯をあげて、早めに就寝。良い鳥が見れますように…
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3日は朝から甲板に出て鳥を見ていました。確かに寒いけど、防寒もばっちりだし、問題なく耐えられる寒さ。夕便であったので朝は三陸沖からスタートです。この辺りは毎度鳥が多いんだよなぁ~と、気合を入れるもどうも鳥影が薄い。ウミスズメとハシブトウミガラスがぱらっぱらっと飛ぶも、どうも迫力に欠ける。そう、エトロフウミスズメの大群が影をひそめているのです。あれを見ないと冬の航路に乗った気がしないのに…
ミツユビカモメは多いけど、トウゾクカモメ類は見ない…ウミツバメ類も見ない…フルマカモメも見ない…、そしてコアホウドリはいっぱいいました。
天気は曇りから太陽が出て晴れ、冬とは思えぬぽかぽか陽気になり、隣でNさんも座ったままうつらうつら。そんなとき、館内放送で船長から新年の挨拶があり、さらに限定20名の操舵室案内企画の案内がありました。僕は鳥をそっちのけで行きたい!と思ったけれど、残念ながら小学生以下が対象でした。それにしても、商船三井フェリーも正月はいろいろやるんだなぁと驚きました。そして、僕は甲板でごろんと横になりうたた寝。。。…そして、そのまんま何事もなく航路は終了してしまいました。
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到着した苫小牧は雪がほとんどなく、寒さも厳しくない様子。海鳥が少ないのは、まだ南下していないからなのかなぁ。新田さんはそのまんま夕便でとんぼ返りするとのことで、苫小牧港で別れました。
僕は当初、勇払原野に行ってみようと思っていたのですが、気が変わりいつも通りウトナイ湖へ向かいました。ここでは、湖面の8割ほどが凍結し、残った水面にオオハクチョウとカモ類がいました。オジロワシはいたけど、残念ながら夕方まで粘ってもコミミズクは現れませんでした。あとは見れそうな小鳥類がちらほらと。そこから一度札幌に出て、夜行バス「おーろら号」に乗り、別海町へ向かいました。
別海町では1週間、北海道NOSAI根室地区で牛の診療の実習です。
北海道NOSAI
http://www.hknosai.or.jp/main.html
農業災害補償制度(NOSAI制度)は、農業災害補償法の規定に基づき、保険の仕組みを利用して、米・麦、畑作物などを対象に、災害を受けた農業者の損失を補填して、農業経営の安定を図ることを目的としています。日本の農業は、自然災害に見舞われることが多く、農家が掛金を出し合い(国が一部を補助)、相互に助け合って災害に備えるという、国の農業災害対策の柱となっている制度です (HPより引用)。対象によって、農作物共済、畑作物共済、果樹作物共済、家畜共済などがあります。この内、家畜共済とは以下の制度です(HPより引用)。
『家畜共済とは、家畜の損害を補償する制度であり、人でいう「健康保険」と「生命保険」の性格を持っています。家畜が死亡した場合などには、「生命保険」部分を支払い、病気になった場合には「健康保険」分を治療費として支払います。NOSAI獣医師の診療はこの「健康保険」の支払い部分にあたります。さらに、家畜が病気にならないように予防することも重要な役割です。』
これらの制度は、つまるところ食料安全保障のために国が多額の財政負担をして日本の農家を守ろうというシステムでしょう。それでも総合食料自給率が40%なんだから、情けないですね。なお、H17年で牛乳・乳製品は68%、肉類54%、鶏卵94%になっています。ただし、飼料は輸入に頼っているわけで、実質の自給率はさらに低いです。
食料自給率の部屋
http://www.kanbou.maff.go.jp/www/jikyuuritsu/index.html
道東方面では主に牛乳の生産がメインですので、子供を産んでもらってたくんさん牛乳を出してもらうことが農家の利益につながります。どの農家も高エネルギーのものを食べてもらってより牛乳を出してもらおうと励んだ結果、「生産病」といわれるような病気が多く発生するようになりました。乳房炎、乳熱、第4胃変位などがその代表格です。それぞれごく簡単に述べると、ストレスや搾乳機会の増加で乳房に細菌感染が起こるのが乳房炎、産後に牛乳生産のためCaを取られ自分が立てなくなるのが乳熱、胃の働きが悪くなり異常発酵で胃の位置がおかしくなるのが第4胃変位です。
現地手術

では実際に、牛の診療はどういうことをするかというと、みんさんのご想像通りでしょう。まず、牛は病院に来てくれないので診療道具を持って牧場に向かいます。そして、病気だと連絡のあった牛の顔を見ます。次に、校門に体温計をさし熱を測り、聴診器で心臓、胃・腸の音を聞き、そして繁殖状態を見るためにお尻から手を入れて直腸検査をします。後は、何がどう悪いかを判断して注射や点滴などの治療をしていきます。
格好は動きやすさ(検査をしやすさ)を求めるため、かなり軽装です。車内は暖かいので良いのですが牧場について車を出ると、さすがに冬の道東とあってかなり寒い。。。そんなときの直腸検査は非常に心地よく、牛の暖かさを体感する瞬間です。それでも今年の冬は例年より暖かいらしく、着いて数日間は雪もあまりありませんでした。しかし、その後全国的に荒らしまわったらしい例の爆弾低気圧が通過し、景色はまさに「冬の北海道」へと一変したのでした。
別海支所の診療範囲はかなり広く、毎日ものすごい距離を診療のため車で爆走します。なので、電柱に止まる猛禽類を僕はひそかに探しまくっていました。オジロワシ、オオワシはもちろんのことケアシノスリを楽しみにしていたのですが、全くと言っていいほど見つかりません。聞くところによると、例年は見かけるが今年はぜんぜん姿を見ないということです。やはり暖かかったからなのかなぁ。。。
勉強に忙しく全く鳥見には行かなかったのすが、実習も終盤になって養老牛温泉まで連れて行ってもらうことになりました。もちろん温泉だけが目当てなら近いところはいくらでもあるのですが、養老牛温泉にはシマフクロウがいます。かつて2度も振られているということもあり、今度こそは絶対見たい!さらにここでは、生簀に魚を飼って良くも悪くも餌付けをしているので、ほぼ確実に見れます(宿泊し、ずっと見ていれば)。しかし、明日の診療があるため、僕は日帰り入浴だったわけですが…
旅館 藤や
http://www.aurens.or.jp/~fujiya/index.html
午後6時過ぎに藤やさんに着き、真っ先にシマフクロウのことを聞くと「いまさっきまでいたのに、つがいで!」という返答。がびーん、これはいつもの悪い流れだ。。。すぐには戻って来ないだろうしと気を落ち着かせて、温泉に入ることに。誰もいなく快適で、さらに露天風呂まである!あわよくばシマフクロウの声が聞こえるかと思い、露天風呂に入りに行ったのですがなんだかすごくぬるい。お湯の出ている付近だけ暖かく、そこから先は外気で冷やされている様子。さすが冬の北海道、露天風呂まで冷たくなるのか!とちょっと感動。
そそくさと温泉を出て、監視カメラの映像を見たり外に出たりと待つこと2時間!とうとう彼は現れませんでした。。。自分の鳥運の無さがいつもながら恨めしい…。まぁ、ウォッチャーとしては次回の楽しみが増えたと自分を励まさねばならないところですが、が、がが、傷は深い…。。。
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道東では最終日に、ようやく時間ができたので、近くにある「ふるさとの森」というところに鳥見に行きました。ここでは、北海道らしい鳥をゆっくりと見ることができ、大変満足でした。帰りは事前に予約していた格安飛行機です。フェリーで帰りたかったのですが、学校の用事がありあまり時間もなかったのです。お土産には、今話題の「じゃがポックル」をゲットできました☆
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そんなわけで、慌ただしい北海道滞在が終わったのでした。行きに2日半もかけたのに、帰りはたった4,5時間というのが印象的でした。やはり今のご時勢、移動だけを考えたら飛行機の方が便利ですね!
最後に鳥のリストを挙げておきます。

【場 所】 三陸沖→苫小牧
【年月日】 2007年1月3日(水) 6:50~13:15
【天 候】 曇り→晴
【観察者】 Nさん、だいもで
【環 境】 航路
【観察種】
1. アビsp.               7. ホオジロガモ         13. ミツユビカモメ
2. カンムリカイツブリ    8. セグロカモメ         14. ハシブトウミガラス
3. コアホウドリ          9. オオセグロカモメ     15. ウミスズメ
4. ウミウ               10. ワシカモメ           16. エトロフウミスズメ
5. クロガモ             11. シロカモメ
6. シノリガモ           12. ウミネコ
【場 所】 ウトナイ湖
【年月日】 2007年1月3日(水) 15:00~17:30
【天 候】 晴
【観察者】 だいもで
【環 境】 湖
【観察種】
1. ダイサギ              8. ミコアイサ           15. ツグミ
2. マガン                9. カワアイサ           16. ヒガラ
3. オオハクチョウ       10. トビ                 17. シジュウカラ
4. マガモ               11. オジロワシ           18. ウソ
5. ヒドリガモ           12. ノスリ               19. ハシボソガラス
6. オナガガモ           13. コゲラ
7. キンクロハジロ       14. ヒヨドリ
【場 所】 別海町
【年月日】 2007年1月4日(木)-11日(木)
【観察者】 だいもで
【観察種】
1. トビ                  6. キクイタダキ         11. キバシリ
2. オジロワシ            7. ハシブトガラ         12. スズメ
3. オオワシ              8. ヒガラ               13. カケス
4. アカゲラ              9. シジュウカラ         14. ハシボソガラス
5. ヒヨドリ             10. ゴジュウカラ         15. ハシブトガラス
番外. ドバト

以上、計45spp.でした。
それでは、長文で大変失礼いたしました。

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