分娩から7か月も経った牛が食欲不振で診療依頼があった。罹患牛は非常に痩せた牛で、残念ながら第四胃右方変位であった。グル音が盛んであったため聴診を録音した。
- 金属音(成牛、右肋より打診)
- グル音(成牛、右肋より)
手術はハノーバー法で行い、いつもは大網を腹壁へ固定するが、この牛は痩せすぎていて大網に脂肪が全くついていなかった。どうしようもないので、胃壁を腹壁へと固定した。翌日には食欲は復活した。
大網に脂肪が全くなくて固定方法に悩んだ牛は初めてであったような気がする。なお、BCSは2.5であった。