肋骨骨折が仔馬に与える影響を調べた論文(AAEPの年次大会議事録、Sprayberry KAら、2001)を読んでみた。
【目的】
This retrospective study describes the presentation, assessment, and care of foals with rib fractures, and documents the short-term outcome of hospitalized foals with this injury at the neonatal intensive care unit at Hagyard Davidson McGee, division of Internal Medicine, in the period 1997–2001.
肋骨骨折56症例を回顧的に記述すること。
【材料と方法】
生後3日以内に集中治療室に入院し、肋骨骨折と診断した56頭。臨床と剖検の記録を調査した。
【結果】
56頭の内、18頭が肋骨骨折のみの診断。5頭が正常産、35頭が難産、16頭は不明。27頭が死亡、29頭が退院した。
死亡した仔馬の内、14頭が肋骨骨折の合併症によるものだった。その14頭中11頭が心臓裂傷や挫傷だった。2頭は横隔膜裂傷と血胸で死亡した。1頭は失血死。肺の挫傷は27例で認めた。
肋骨を5本以上骨折した13頭の内、退院できたのは3頭だけであった。その3頭の内2頭は肋骨骨折に対して外科出術を行っていた。
胸腔内は陰圧だから、肋骨骨折すると肺や心臓に断端が圧迫されやすいとか、示唆に富む内容の良い論文だ。Veterinary clinicsにReviewも書いているようだが、そちらも見る必要がありそうだ。