新生子牛の骨折


生まれたばかりの子牛が全く肢をつかないと診療依頼があった。

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同僚がギプス固定を施すも、遭えなく子牛は死亡してしまった。患部の状態を知るために、解剖させていただくことにした。肘関節の遠位で骨折している様子で、癒合は全くしていない。

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皮膚と筋肉を取ると、橈骨と尺骨が完全に折れていた。

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これらの骨を煮沸して骨折の状態を精査した。骨折の分類は、骨幹部骨折、完全骨折、閉鎖骨折、単独骨折、粉砕骨折そして圧迫骨折であった。

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分娩介助時の無理な牽引に伴う骨折は、中手骨や中足骨の骨端骨折が多い。今回の症例は生後すぐに、肘関節の遠位に強い圧力がかかったことによる骨折であることが分かった。よって、成牛に踏まれたものであることが推測できた。