そもそもは心奇形の牛に違う診断をしていたことから始まった。動脈管開存症かと思ったら(根拠もなく)、心室中隔欠損だったのだ。
だが、しかし、大学で心雑音の波形等は一通り習ったのだが、果たしてそれを臨床現場で応用したことがどれだけあっただろうか。恥ずかしながら、僕は心拍数、強弱、乱れ、雑音の有無くらししか見ていなかった。
そこで、聴診の音を録音し、勉強してみようという気になった。
録音機材は何でも良かったのだが、僕の場合、iPhoneで試みた。しかし、ウェブ上でiPhone聴診器を手作りで作成した人は少ない。もちろん、今の時代、電子聴診器なるものもあるのだが、そんな大金はありませんので却下です。
そこで、単純にマイクを聴診器に仕込むことを考えました。貧乏性なので、手持ちの機材で何とかしようと目を付けたのは、iPhoneに付属する純正のマイクイヤホン。
悩んだがまずは分解し、マイクの取り出しを試みた。(そして、失敗しました。)
コントロール部に、マイクの穴のようなものが見えます。
箱を開くと、このような構造になっていました。あれ、マイクが無いぞ?
なんと、外部から見えた穴はダミーであることが発覚!
さらに悩んだが、基盤を剥がしてみるとマイクなようなものが…とその時。ポキッ!あー、折れた(涙)!
マイクは基板上に設置されていた。折れたらもう使うことができる状態ではない。うー、人柱になってしまった。
以上の実験を踏まえ、このコントロールボックスをそのまま使うことにしました。単純に、チューブにイヤホン部分を切除したコントロールボックスを埋め込み、チューブ断端をクリップで挟みました。聴診器は先輩の壊れたものを借りました。苦節一日で完成!
見てくれは不細工ですが、いざ実際の診療した牛で試みると、野外でも心音が録音できました。いろいろな音を集めて、Sound Libraryを作ってみようかな。
牛の心音
*12/9追記:音源をmp3に変更しました。