本年初の第四胃左方変位整復手術


分娩後半月の牛が食欲不振を繰り返していると往診依頼があった。

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牛を見ると、BCSは高く、アセトン臭を強く発しており、左肋から左膁部にかけてあからさまに膨隆していた。一目見ただけで第四胃左方変位であると確信した。予想通り左肋に金属音を確認し、第四胃左方変位と診断した。第四胃にガスが多量に溜まっていると、逆に金属音は目立たなくなる気がする。この牛もそうであった。

手術では、腹腔内脂肪が非常に多く、整復に苦労した。

金属音(成牛、左肋より打診をする)

グル音(成牛、左肋より)

第四胃右方変位の金属音を録音した


連日になりますが、第四胃右方変位の聴診を録音した。遭う時はよく遭うようになるなぁ。

第四胃右方変位:金属音(成牛、右肋より打診をする)

第四胃右方変位の聴診部位については、こちらに掲載されている写真が分かりやすい。

Q & A 産業動物編

金属異物 / 第四胃左方変異の聴診


家畜診療誌2013年12月号のワンポイント質問に「原因不明の突発的な発熱について」という記事が載っていた。創傷性第二胃炎と体温についての実験的なデータが掲載されており、興味深かった。

丁度先日、「原因不明の突発的な発熱」で創傷性第二胃炎を疑った牛に磁石を飲ませていたので、磁石の摘出を行った。
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比較的大きめで、ややギザギザした金属片が7個ほど採取できた。乾草に紛れ込んでいたのであろうか?これで食欲不振がスッキリとよくなれば良いのだけど。


ところで、ようやく第四胃左方変位の聴診を録音することができた。やる気に満ちていると、なかなか出会わないものであった(笑)。

第四胃左方変位:金属音(成牛、左肋より打診をする)

第四胃左方変位:拍水音(成牛、右膁部に聴診器を当て腹部をゆする)

正常な打診:(成牛、左肋より打診をする)

audioファイルを変換/関宿城マラソンエントリー


今までaudioタグが動作していなかった件を対処した。やはり、元のファイルが問題でWindowsでは再生できずにいたようです。ファイルをmp3に変換し、全てアップロードし直した。これで、だいたい解決であろう。

iPhoneで録音したファイルをパソコンに取り込むと、形式にはwavファイルになっているのだが、デフォルトのオーディオでは再生できなかったのだ。中身が違う形式であったのであろう。


ところで、3年目にしてようやく関宿城マラソンにエントリーした。来年の2/2が地味に楽しみだ。何とか40分台を目指そう。

股関節脱臼の異常音を録音


今朝は寝てるうちから診療依頼があった。成牛が股を開いてしまったらしい。

農家に着くと、その牛は両後肢を外方へ完全に開脚して座っていた。ありゃありゃ、嫌な予感しかしない。伏臥に直し、すぐに股関節脱臼の診断を行った。まずは神経学的検査をするが屈曲反射はない。痛覚検査(pin prick test)でも、坐骨神経領域以下に反応なし。肢を回転させると、股関節から明瞭な異常音がした。明らかに股関節の完全脱臼であった。残念だが、これでは助かる見込みはない…。


*12/9追記:音源をmp3に変更しました。
骨と骨がゴリゴリと擦れるような音と感覚がした。それは、畜主がすぐに分かり、諦めるほどの異常音と異常可動であった。聴診器を当てて録音したが、音が大きすぎて逆に分かり辛いかもしれない程だ。教科書に載るような典型的な症例であった。