海外逃亡;トランピングで妻をだます


 そして、憧れのニュージーランドのハイキングに出かけました。ハイキングやトレッキングのことを、こちらではトランピングTrampingと言うらしい。有毒のクモいなく、ヘビやクマもいないので、非常に安全に楽しめ、人気スポーツらしい。夏は日が非常に長いというのも、山歩きに不慣れな人でも楽しめるのではないかと僕は思った。
 ミルフォード・トラックやルートバーン・トラックなど世界に名をとどろかせるトランピングルートがある中、我々が選んだのはクイーンズタウンの裏山のウォーキングトラック「登山なんて絶対にムリ!」と、猛反対する妻の最大限の妥協でした。
入り口は中心地から少し離れたLomond St.からで、Ben Lomond Forestと書かれた看板が書かれていました。ここから、川沿いを登り、対岸から降りてくるFernhill loop Trackへ入る。妻には、ワン・マイル・クリーク・ウォークOne Mile Creek Walkという隣の道に行くと言ってあったので、「ワン・マイル(約1.6km)だから、すぐだよ、すぐ!」というのが殺し文句でした。
入り口
 まもなく進むと、分岐にいよいよFernhill loop Trackに入る看板を発見!しかし、あろうことか『Fernhill loop Track 3hr』なんて書いてやがる。妻はいぶかしむも、「ちょっと行ってみようよ。ワン・マイル(約1.6km)だから、すぐだよ、すぐ!」と強引に押し切る。なお、この時点でワン・マイル(約1.6km)ぐらい歩いていたかと思います。
 照葉樹林や松林の中をだらだら登っていくと、急に開けた場所へ到達。どうやら森林限界の様子。視界がものすごく広いので、本当に見晴らしが素晴しい!
見晴らし
tomtit
ピンボケで申し訳ないTomtitの♀。何度も見ることができたが、頭でっかちで本当にかわいい!
 下りのひたすら単調な松林を延々と下っていくと、妻が憧れのNew Zealand Pigeonを発見してくれる。ビギナーズラックって素晴しい!さらに、でかい小鳥の混群(Fantail, Redpoll, Silvereye, Chaffinch, Yellow-Crowned Parakeet等)に出会い、鳥も大満喫。
 湖岸にようやく着いたのは、登り始めてから5時間ほどたってから。
湖岸
夜の7時くらいでもまだこの明るさ。
 さすがに途中でFernhill loop Trackだと教えたけど、妻もなんだかんだとノリノリだったような気がする…。これで妻は山歩きが嫌いになるのか、はたまた好きになるのか?なんとかまた連れて行ってみたいと思う。

海外逃亡;Kiwiは変な鳥


 午前中はキーゥイ バードライフ パーク(Kiwi Birdlife Park)に行き、午後は裏山を軽くハイキングすることになりました。
 Kiwi Birdlife Parkはクイーンズタウンのすぐ裏山の麓にありました。入口近くでは野生のBellbirdがうろうろしていた。嘴は下に曲がるし色も違えど、やはりどこかムクドリっぽい。
Kiwi Birdlife Park
 恥ずかしながら、僕はニュージーランドで図鑑を開くまで、Kiwiという鳥が一種類だけいるのかと思っていました。しかし、なんと図鑑を見ると5種のKiwiが載っている…。かなり衝撃的でした。Kiwi Birdlife Parkを含め、ニュージーランドに各地に保護施設のようなものがあり、普及啓発に取り組んでいるらしい。
 初めて見た印象は、動きの遅い長い嘴のあるネズミ。餌あげ時間に見に行くも、ひたすら地面に嘴を差しながら採食するのみ。地面の下に餌を置くのでしょうか?
 しかし、この飛べない鳥は毎年数を減らしています。直接の主な理由は、外来種、次に交通事故だそうです。生まれた95%は雛のうちに死んでいくとか。こちらで影響を及ぼしている外来種は、ポッサムとフェレット。悲しいかな、島の固有種は外来種の影響を大きく受けます。外敵やライバルが少ない中、独自の進化を続けてきた結果だからですね。
Kiwi
 このKiwi Birdlife Parkは狭いながらも、展示は充実しており、短時間でも楽しめました。Kiwi以外でも、ニュージーランドの固有種の展示や、南島でのマオリ文化を紹介してます。日本語の音声ガイドも借りられるので楽チンでした。
Kea
結局会えなかったKeaは、傷病鳥としてここにいました。かなりのイタズラ好きの様子。
 しかし結局、ここの施設で保護・展示してあったKiwiは5種のうちどの種類だったのかは良く分かりませんでした…。

海外逃亡;クイーンズタウンへ突入


 早くもダニーデンの街を発ち、クイーンズタウンへ向かうことになった。
 出発前に、オタゴ大学博物館に寄るが、大学付属の割に、とてつもなく大きい!内容も充実している!一階にはカフェまでついて、雰囲気は日本の県立博物館といった印象。じっくり見ていたら一日でもいられそう。マオリ文化からNZランドの生物相、自然科学、船舶やらなぜかエジプト(ミイラまで展示してあった)等まで。
便器
博物館一階のトイレには、便座に貝殻が封入してあった。2階には同様にいらない古釘でした。
 クイーンズタウンへは、タイエリ渓谷鉄道(Taieri Gorge Railway)とバスを使って向かいます。ただの移動だけならバスが最も早いのだけど、その辺は観光旅行というやつです。しかし、この鉄道は眺めも良く、雰囲気は「世界の車窓」から。”この国では珍しく”、山間の緑の木々の間を進んでいく。この時点では気付いていませんでしたが、ニュージーランドに残っている森林は25%ほどとのことで、後は恐ろしいくらいに放牧地やら畑やらになっています。
タイエリ鉄道
まさに世界の車窓から!
 その通り、プケルンギで鉄道を降りてバスに乗り換えたのですが、後はひたすら放牧地と点在する羊たち。最初は物珍しく写真も撮っていましたが、あきるほど延々と続きます。緯度が高く、標高もそれなりに有り、どうやら植物もそんなには生えてこない様子。畜産大国ニュージーランドは、まさに土地の勝利といった印象。
羊
 クイーンズタウンに着いた頃には夜9時でしたが、なんとまだうっすらと明るい夕暮れ!日がとてつもなく長い!!

海外逃亡;ダニーデンにてペンギンに遭遇す


 ダニーデンの街はニュージーランドに白人が初めて入植した地とだけあって、歴史的建築物とスコットランドの街並みがよくそろっている。らしい。現地の英語ガイド(Kiwi English)の市内観光ツアーにも参加したのですが、部分部分しか分からないままあっちこっち連れまわされました。僕はイギリスなんか行ったことがないので良く分かりませんが、なんかかっちょいい街でした。
ダニーデン
 そして、ダニーデン近郊にあるオタゴ半島にはロイヤルアホウドリのコロニーがある他、ペンギン類、オットセイ等が生息している。これらを見るため、観察ツアーにも参加しました(Nature Wonders)。
 ダニーデンを観光バスで出発し、ラーナック城を回った後、オタゴ半島先端にあるロイヤルアルバトロスセンターに到着。バスを降りると、大量のRed-billed GullとBlack-backed Gullが舞う中、ひときわ大きなのがちらほら。すぐに見つかりました、Royal Albatross(Northern)!!一つアジサシが混ざっており、Fairy Ternだと思ったですが分から仕舞…どなただったのでしょうか。
 ツアーではアルバトロスセンターを見る間もなく、すぐに次の場所(Nature Wonders)へ。ここで、8輪駆動車に乗り換え、観察小屋へ向かう。すると、すぐの岩礁にはNew Zealand Fur Sealがうじゃうじゃ。小さい個体は本当にかわいい。
NZ fur seal
New Zealand Sea Lionも分布しているそうですが、よく分からず。奥の岩礁に、ようやく鵜を発見!Spotted Shagの非生殖羽とのこと。
 また少し移動すると、ペンギンがいるという砂浜に到着。よーく、双眼鏡で流していくと…いた!Yellow-eyed Penguinの寝そべっている姿が目に入る。奥の塹壕状の観察小屋に入っていくと、さらに近くから見えました。立っている個体も発見し、全部で8羽ほど点在していたでしょうか。夜から採食しに行くそうで、全く動きません。
yellow
(幼羽から換羽中の様子)
 ガイドのおじさんが手招きしてきたので、小屋の裏側を覗いてみると、すぐそこにはBlue Penguin!巣の中で休んでいるのしょうか。
blue
(ほとんどズームしてません!)
ダニーデンの街では、もっとゆったりじっくり過ごしたかった!!

海外逃亡;初日


羊帝国
3月の頭より海外逃亡していました。どこへ行っていたかと言うと、なんとニュージーランド!!
もちろん、イージーブリード大量購入のため…のはずもなく、遅まきながらハネムーンに行ってまいりました。時間もなかったのでHISのツアーに申し込んだのですが、想像するだけでうんざりしていたツアー旅行と違い、自分たちで好き勝手やれて非常に楽しかったです。ほぼ僕たちだけでしたので。
初日。成田空港よりニュージーランドは南島、クライストチャーチへ行き、そこから国内線でダニーデンへ向かいました。写真からも分かるように、とにかく放牧地・採草地だらけ。空から見ると、蟻がうごめくかのごとく羊と牛が点在または群衆のようになっていました。
まさに、畜産大国ニュージーランドに到着したのだと実感したのだった。