搾乳立会を行っている農場から乳房炎乳汁の検査依頼があった。培養してみると、2検体からノカルジアが検出された。
羊血液寒天培地では、白く粉っぽいカサカサのコロニーである。
グラム染色をすると、細長いグラム陽性の桿菌であった。特徴を総合的に判断すると、ノカルジアの慢性乳房炎の症状である。去年の夏から、この農家では三頭のノカルジア性乳房炎が認められている。いくらなんでも、多すぎである。
ノカルジアは環境性で、難治性である。この農家では、きっと牛床に問題があるに地が地がない。
カテゴリー: 獣医な話
3/24 搾乳立会を振り返る
とある酪農家の搾乳立会を行っている。
ある問題があり、搾乳立会をすることになったが、実際に行ってみるとびっくりすることが多々あった。
工場のラインのようにパラーでの搾乳作業を行っていて、乳頭刺激から搾乳開始まで約5分かかっていた。牛の泌乳生理的には、1-1.5分が推奨されているので、もっと早く行わなくてはならない。
指導後、2回目の搾乳立会を先日に行った。
搾乳開始までの時間は約2分強へと短縮され、全体の搾乳時間も短縮し、多少乳量も増えたとのことであった。
今回は、この農家の搾乳手順をよく見てみた。
まず、表面の汚れを軽く手で落とす。うむむ、乳頭の汚れが目立ちます。
前搾りを十分に行う。汚れはあまり変わっていないような?
ヨード剤によるプレディッピングを行う。乳頭の7割ぐらい浸かっています!
乳頭清拭をする。コンタクトタイムは十分に取れていました。
搾乳開始!乳頭口が少し不十分なような?
と、ここまでの作業を2頭単位で行っている。が、2分以上かかっている。
とすると、この手順で1頭単位で行ってもらう?ミネソタ変法による手順に変えるよう提案しようか?なかなか考えてしまう。
3/22 4肢目:蹄底潰瘍、5肢目:白帯病
今朝は搾乳立会であった。昨日から2日続けてであり、ちょっと寝不足気味で大変。。。
しかし、今日もせっせと蹄を切りました。
まずはあまり痛がっていない蹄も切ってあげようと肢をあげた。
しかし、案の定、外蹄に蹄底潰瘍が入っていた。蹄底を薄くヒールレスにして終了。開放せずに、減圧すればなんとかなるでしょう。
そして本題の左後肢に取りかかった。ここの農家で非常に多い、疣状皮膚炎ではないなぁ。
内蹄の蹄尖部の白帯より排膿した。白帯病だ。以前の僕なら、ここまでで満足して、治療を終えていたように思う。
排膿した部位から蹄壁に沿って進む隧道を追って行った。蹄冠まで進んだところで、大量に排膿した。白帯から蹄壁に沿って感染が進み、大分深部まで到達しているようだ。
やはり蹄病治療が面白くなってきた!
3/21 3肢目:蹄底潰瘍
疣状皮膚炎が多発する農家へ診療に行ったら、突如、蹄病治療を頼まれた。
両後肢共、痛がっているようなので、軽度な方から削蹄を開始。
また疣状皮膚炎かと思っていたら、違うらしい。外蹄を押すとずいぶん痛がるので、詮索していくと、立派な蹄底潰瘍であった。ヒールレスにして終了。この程度なら、できるだけ蹄底を薄くして減圧するだけでもよいのかもしれない。今回は真皮まで開放してしまった。
より痛がっていた右後肢は立派な疣状皮膚炎であった。ジュクジュクしたイチゴ状の疣からは悪臭が発せられていた。こちらの蹄は新人のさとちゃんに削蹄を譲った。
どんなに忙しくても、妻子のためにきちんと食事を作る自分をたまに褒めてあげたくなる。
今夜はなぜかサツマイモとおからのスイーツまで作ってしまった。さっぱりとしてうまし。
3/19 重度な蹄底潰瘍
今日も蹄病治療の診療が入った。
この牛は、歩くたびに血が床についていたそうだ。以前にも治療していたそうだが、治っていないのだろう。
外蹄には、蹄底から蹄尖に向かって広く、真皮まで潰瘍が広がっていた。壊死した組織をできるだけ除去していったら、理想的な形とは程遠い不整形になってしまった。
当然、このままだとまともに負重できないので、ゲタを履かせた。
先日の集中講義以降、蹄病治療が楽しくなった。
前日に続き、娘のお祝いにいただいた真鯛を味わった。昨夜はお刺身であったが、今夜は煮魚と鯛飯にしてみた。うまい~!ありがとう、S先生。