削蹄をしたのに足を痛がると診療依頼があった。
蹄を見ると、蹄踵間に大きな異物ができていた。触ると、とても痛がり、大暴れをしてしまう。どうしようかとしばし悩んだが、雨の勢いも強くなってきたので、思い切って切除した。
当然、切除部位からはシャーシャーと出血した。さらに、蹄底潰瘍も認めた。どうやら、潰瘍部と切除した異物が繋がっていそうだが、とても痛がるので詳しくは後日にまた見ることにした。ひとまず、圧迫包帯して終了だ。
切除した異物は約4cm大であった。断面は蹄の構造を有していた。もしかすると、スピロヘータ感染による、過形成だったのかもしれない。
僕らもウオノメが、常に地面に触れていたらきっと痛いだろう。異物が再生されないことを望む。
カテゴリー: 獣医な話
5/7 第四胃左方変位の再手術
導入したばかりの牛が、分娩後すぐに食欲不振に陥り、第四胃左方変位に至った。しかし、その牛は、前回の手術手術跡の左下が腫脹しており、排膿の跡が見られた。
内科療法でも治らず、本日はその牛の第四胃左方変位の再手術であった。恐ろしい手術にならなければ良いが…
前回の固定部位は大網としっかり付着していたが、伸びており、第四胃は左方へと変位していた。前回の固定部位は、皮膚の腫脹部位と同じ部分であった。
前回の固定部位を外そうと鈍性剥離していると、皮膚の腫脹部位から明らかに排膿してきた。どうやら前回の固定部位から糸を伝って瘻管を形成していたようだ。
整復の邪魔になるので、仕方なく前回の固定部位と糸は切った。もし、瘻管内に多量の膿が入り込んでいたら、腹膜炎の原因になるかもしれない…。
このようなことが起こらないよう、野外においても手術は少しでも衛生的になるように心がけるべきであると思った。
4/29 ミキサーの刃
先日お会いした餌屋さんに感動してしまった。
とある農家のTMRの餌を見て、乾草が引き千切られていると指摘した。
TNRのミキサーを見に行った。
出口近くを中心に、刃がベコベコに曲がっていた。かれこれ2年ぐらい変えていなかったらしい。
僕はこの農家にずっと通っていたが、その事実に気づかなかった。
少しついてきた自信が、同様に折れ曲がった。。。実に不甲斐ないと思った。
気付けば、足下にアゲハ。僕も飛び立ちたい。
4/24 13肢目:白帯病
診療へ行くと、追加で蹄病を頼まれた。
畜主は、「また奥まで膿んでいるかも」と言っていた。
外蹄に蹄病底潰瘍と白帯病があった。白帯から蹄冠にやはり瘻管を形成していた。病変を追うように削っていった。
外蹄はヒールレスにし、綿花包帯。
ここの農家は、蹄付近が湿潤環境にあり、趾皮膚炎も多い。なんとかならないだろうか。。。
4/19 9肢目:蹄底潰瘍リベンジ、10,11肢目:正常蹄、12肢目:重篤な白帯病
最近は蹄病ばかり当たります。
まずは、先日のリベンジから。今回は削蹄枠場を使用。安全に素早く処置ができた。やはり蹄病処置には必須である。
痩せている牛であったので、蹄球枕のクッションがほとんどなく、硬い蹄底であった。
お次はただの削蹄を両後肢。
少しは上手に削蹄できるようになったであろうか?
仕上げは重度な蹄病であった。
蹄球は全体に肥厚。
蹄冠部より排膿し、酸っぱい臭いが漂っている。
蹄底潰瘍も内蹄にある。外蹄は白帯から蹄冠に瘻菅が形成されていた。壊死した組織ごと、大きく切除した。
農家から良い言葉を聞きました。
「正直に、腹を立てずに、たゆまず励め」
この土地にゆかりのある、鈴木貫太郎元首相の言葉である。