6/9 23肢目:白帯病、ウシハジラミ


食欲不振の牛を治療していたが、あまり良くならない。聞くと、あまり起きたがらず、食べにいかないそうだ。またもや蹄病治療だ。

右後肢の外蹄を付きたがらず、広踏みで歩行。

やはり、外蹄に病変を見つけた。白帯病だ。
最近は白帯病ばかりに良く当たる。


久しぶりにシラミを発見し、大興奮した。

ウシハジラミであった。一匹だけで、牛の背を漂流していた。

6/8 22肢目:白帯病、ジャーホルじゃー!


本日は県外で蹄病治療であった。フリーストール農家なのだが、枠場が使いづらいらしく、いつも牛舎内で治療をしているらしい。
スタンチョンで固定した後、ロープで足を挙げる。当然、あまり挙がらないし、牛も動く。。。

以前から治療していたのと反対の肢を痛がっているらしい。外蹄が肥厚している。

外蹄が白帯病で、排膿した。隧道は蹄冠まで抜けていた。


夜、学会の抄録作りのため残業していると、産後のジャージーが起立不能だと夜間往診が入った。
農場へ着くと、なんと牛は立っていた。。。
そのジャージーはホルスタインの種を授精していた。ジャーホルの子牛という訳だ。不思議と、小さく生まれ、難産になっことは無いのだという。今回の子牛は一見ホルスタインのようであった。が、このような毛色はむしろ稀だということだ。

ほとんどは、このように和牛とのF1みたいな色合いの子牛で、黒っぽい牛になるそうだ。しかし、骨格のでき方がいつも見る和牛とのF1とずいぶん違うように思えた。

6/5 21肢目:白帯病、砂糖浸漬療法の参考文献


先月に蹄を切ったのに、肢を痛がると往診依頼があった。

外蹄の蹄底が肥厚している。

白帯より少量の排膿を認めた。今回は、蹄冠までは抜けていなかった。


コメントに質問いただいた砂糖浸漬療法について、自分の勉強も兼ねて調べてみた。
牛に砂糖浸漬療法を用いている参考文献
・重度蹄疾患に対するタイヤチューブを用いた砂糖浸漬療法
・乳牛の急性蹄葉炎に継発した広範な蹄底蹄皮炎罹患蹄に対する砂糖浸漬療法および四肢8蹄に形成された蹄輪に関する一考察
作用機序
「水分活性の低い環境を作ることによって細菌の増殖が抑制されること、高浸透圧であるために創組織より組織液が流入し続けるので、砂糖に接触する最外層の組織細胞は湿潤環境に置かれ、治癒過程が阻害されることがない。」
吉谷一紀、紫葉、52、23-32(2007)
In vitro study of bacterial growth inhibition in concentrated sugar solutions: microbiological basis for the use of sugar in treating infected wounds. よりの文献引用
湿潤療法に関しては、以下を参照。
新しい創傷治療

5/31その2 18肢目:蹄葉炎、19・20肢目:趾皮膚炎


昨日の話ですが、またまた蹄病治療であった。

Before

After
外蹄から、白色の膿が出てきた。そして、広く蹄鞘が遊離していた。蹄葉炎のように思える。


違う牛の左右を切った。

Before

After

Before

After
こちらは蹄球間が肥厚し、痛がっていたようだ。もちろん、蹄の伸びすぎもあるのだが。趾皮膚炎のでき始めであろう。
この農家では、またしばらく、蹄病道場になりそうだ。