出荷前の子牛の臍が腫れていると診療依頼があった。直径15cmほどの腫瘤となっていた。このままでは市場に出せないので手術で摘出することにした。
傍正中に切開を加え、状態を把握する。大網が臍ヘルニアの内部に癒着していた。剥離した後、臍の腫瘤を摘出した。
摘出した腫瘤を切開すると、多量の膿が出てきた。臍帯炎の残りが膿瘍と化したのであろう。臍ヘルニアと臍帯膿瘍の併発であった。
今回は臍ヘルニアの内部に癒着していたのは大網であったので大事には至らなかった。しかし、もし腸管が癒着して嵌入すると嵌頓ヘルニアになるのかも知れないと思った。