2020/4/17にTransboundary and Emerging Diseasesへ掲載されたSARS-CoV-2の中間宿主についての短報”Serological survey of SARS‐CoV‐2 for experimental, domestic, companion and wild animals excludes intermediate hosts of 35 different species of animals”(10.1111/tbed.13577)を読んでみた。以下に要点を抜粋します。
・SARS-CoV-2の自然宿主はコウモリだと考えられているが、未だ中間宿主は不明。
・多種の動物の血清にSARS-CoV-2の抗体が含まれているのかをELISAのキットを作成して調査した。
・家畜(豚、牛、羊、馬)、家禽、実験動物、伴侶動物(487頭の犬、66頭の飼い猫と21頭の野良猫)、22種の野生動物(17頭のセンザンコウ、10頭のハクビシン、31頭のラクダを含む)の検体からSARS-CoV-2の抗体は見つからなかった。
つまり、調査した検体からは抗体が検出されず、中間宿主は推察できなかったってことだ。センザンコウからSARS-CoV-2に近いウイルスが分離されているものの、分離されたコロナウイルスにはSARS-CoV-2に特異的なRRAR motifを持っていなかったこと(10.1002/jmv.25731)、今回調べた血清には抗体が見られなかったことから、中間宿主と断定するには疑わしいようだ。
でも、この調査は結論付けるにはそれぞれの検体数が足りなすぎるように思うなぁ。