2019/1/22 SIUI社製エコーCTS-800のアップデートまでの顛末


2018年にSIUI社製エコーCTS-800を所属する機関が購入した。しかし、画質は期待外れであった。我々が協力して、ソフトウェアのアップデートを行うことにより、画像の質が改善するに至ったので情報を共有します。


以前より使用していたエコーの老朽化のために、2018年初夏にCTS-800が我々の診療所に配備された。

妊娠鑑定時に使用してその画質の悪さに驚いてしまった。それは、画像の水平方向への重複に起因しているように感じられた。

ご存知の通り、エコーの特性上、多少のアーティファクトが存在することは分かっており、教科書的にも精細に記述されている。しかし、それらは、縦方向のものだけです(反射によるもの)。今回体験した画像の重複問題は左右の水平方向のズレによるもので、「エコーの特性上仕方ないもの」とは異なると思えた。

左右の横方向の画像の重複は、流産リスクの推定および胎子の雌雄判定の評価が困難になる。写真を撮り損ねたが、画像が重複することにより、あたかも胎膜が剥がれているかのような映像になった。また、胎子の雌雄判定時には生殖結節を見るわけだが、その画像が重複することで雌雄を間違えてしまう可能性が大いにあった。これらの現象は、他の診療所に配備されたCTS-800のエコーにも認められる現象のようで、胎膜が剥がれていると診断してしまい、不必要な治療を頻回行っていた話や、雌雄判定にCTS-800のエコーを使わなくなったという話を聞いていた。

実際の重複画像が以下である。これらの写真は水風船の中に小さな水風船を作り、同一のものを旧機種とCTS-800で写した。

旧機種の画像

CTS-800の画像

営業担当者に症状を報告し続けて、ようやく問題をSIUI社に認識してもらえた。そこから解決策が検討され、2018年末にソフトウェアのアップデートプログラムを試験的に受け取った。その時の画像が以下である。これらの写真は水風船の中に小さな水風船を作り、同一のものをCTS-800のソフトウェアのアップデート前後で写した。画像の水平方向への重複が消えているのが分かる。

アップデート前

アップデート後

その後、妊娠鑑定でも画質の改善が認められた。雌雄判定も可能であった。

ウシの雌の胎児

CTS-800の購入者に対しては、今後、営業担当者よりソフトウェアのアップデートの連絡が随時来るかと思います!解決まで約半年ほどかかったが、まともに使えるようになってホッとした出来事であった。

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