人の尿が精子に及ぼす影響を調べた1978年の論文(10.1016/S0015-0282(16)43640-X)と1981年の論文(10.1016/S0015-0282(16)45802-4)を読んだ。
まず1978年の論文(10.1016/S0015-0282(16)43640-X)では、2名のドナー の精子を1:4で尿に混ぜ、5, 10, 15, 20分後の運動性を観察した。15~20分で大きく運動性は低下していた。また、用意した尿のOsmolalityは136~548 mOsmoles/kgと幅があり、低い場合で特に運動性が低下していた(表1)。
次に、精子を様々な濃度の食塩水に混ぜ、運動性を見た。やはり、低濃度だと運動性が低下した。
話は変わり、逆行性射精の患者に対して、膀胱がパンパンの時に立位で射精させたら精子が出てきたよって。このアイデアは…すごいなぁ。
次に1981年の論文(10.1016/S0015-0282(16)45802-4)では、人の精子に対する、尿、pH、osmolarityの影響をさらに詳しく解析している。さらに、表6でそれらを補正して運動性と速度が回復するかを見ている。結果はpHもosmolarityも適正にすることで運動性と速度が回復した。
精子にはpHもosmolarityも適正にする必要があることを示している。