飼料が乳牛の繁殖性に及ぼす影響をメタアナリシスで調べた論文(10.3168/jds.2017-14064)を読んでみた。
移行期の栄養状態は受胎性に影響することはよく分かっている。交絡要因を省くためにメタアナリシスを用いた研究は、脂肪の添加、ミネラル、タンパクの点において報告がある。炭水化物の点から影響を評価したメタアナリシスの研究はこれまでにない。
乳牛の移行期の飼料が受胎性に及ぼす影響を明らかにすること。
(複雑かつ専門外のため省略)
39の論文が選択され、メタアナリシスを行った。受胎率に影響を及ぼす多変量のモデルを構築したところ、脂肪酸摂取量、デンプン摂取量、代謝エネルギーバランス、小腸でのC14:0利用率において正の関係が、急速醗酵する糖類、飼料中の糖類の比率、乳中タンパク量において負の関係が認められた(表4)。妊娠までの日数に影響を及ぼすものとして、スレオニンとリジンの量が日数の延長と関係が認められた。
移行期の飼料は受胎性に明らかに影響を及ぼしている。特に、飼料中の脂肪、エネルギーとタンパクの増強を泌乳初期に行うことが高受胎性に寄与している。