フリーストールで3本肢で歩行している乳用種経産牛がいた。聞くと育成牛の時からずっとそのように歩行していたのですでに諦めていたようだ。しかし、痛がり方を見ていると明らかに蹄病のようだったので、削蹄をさせてもらった。
写真1および2で分かるように重度な縦裂蹄であった。削蹄の本によると、縦裂蹄は肥育牛に多く、亀裂だけで疼痛がないのもいるいそうだ。また、病変に疣が形成されると疼痛が強いそうだ。
今回の症例では内蹄が蹄壁、底面共に縦裂蹄のため左右に割れており疼痛は著しかったが、疣の関与は不明であった。内蹄はできるだけ短く蹄の組織を切除して綿花包帯をし、外蹄にブロックを装着して様子を見ることとした。
写真3のように、治療後4日で見たときには外蹄で負重するようになっていた。