子宮内膜炎とpurulent vaginal dischargeに対し治療は有効なのか、を検討した論文(10.3168/jds.2010-3757)を読んだ。彼らの一連の論文群の一つだ。
産後に検査を2回して、細胞学的子宮内膜炎とpurulent vaginal dischargeの評価を行っている。治療は抗生物質とPGF2aを用いた。また、高リスク群(双子、難産、胎盤停滞)と低リスク群間の検討もしている。
抗生物質は高リスク群において、2産以上または胎盤停滞の無かったものでわずかーに子宮炎の罹患率が減っているのみであった。purulent vaginal dischargeは抗生物質投与で減っていた。一方、PGF2a投与では効果に差が見られなかった。
むしろ、細胞学的子宮内膜炎とpurulent vaginal dischargeは2/3くらいが自然と治っているので、そもそもこれらの状態にならないよう、分娩・産後の管理に気をつけるのが重要なのであろう。