子宮癌に関連するFGF18の発現がbazedoxifeneにより減少することを示した論文を読んだ。(10.1210/en.2016-1233)
更年期障害の治療にprogestinとestrogenを使用することで(副作用である)子宮癌の発生は抑えられたが、progentinの使用は乳癌の発生リスクがある。そこで、代替の治療法として結合型estrogenと選択的estrogen受容体調節物質(bazedoxifene)の投与が検討されている。この論文はbazedoxifeneの効果を検討している。
Progestinは子宮間質細胞のHAND2の発現を促し、これを介して間質細胞のFGF18を減少させる。FGF18は上皮の増殖を促すので、FGF18の減少は上皮の増殖を減少させる。
Bazedoxifeneはin vitroの間質細胞の作用についてはFGF18を減少させるもののHAND2に変化は無かった。しかし、マウスに結合型estrogenと共に8週間投与すると、FGF18が減少し、さらにHAND2も大幅に減少していた。このHAND2の動態はProgestinの作用とは異なっていたことから、bazedoxifeneは異なる経路でFGF18を減少させていることが分かった。