「出臍(でべそ)」という稟告で子牛の診療依頼があった(写真1, 2)。写真3のように指を挿入すると整復ができたので簡単に臍ヘルニアと診断することができた。まずはヘルニアネットを使って整復を試みた(写真4)。このままの状態でいてくれれば、2週間ほどでヘルニア輪は塞がることがほとんどだ。
だが、この牛の場合は動いた影響でヘルニアネットがクルクル反転してしまい、整復状態を維持することができなかった。残念ながら、外科的にヘルニア輪を縫合し、整復することになってしまった。
Figure 2. ヘルニア輪から腸管が下垂している状態の患部