子牛の臍帯炎は抗生物質で治療しても効果がない場合、切除をした方が治りが早い。先日も抗生物質の投与で臍部の腫脹が変わらなかったために切除することにした。
当初、患部は皮下のみに局在していると予測していたが、手術してみると腹腔に達していた。臍静脈の一部が腫脹しており、膿瘍を形成していた。その部位を破裂させないように丸ごと切除した(Fig 1)。
切除した患部を切開すると、多量の膿の貯留が認められた(Fig 2)。これでは抗生物質で治すには時間がかかりそうだ。
しかし、予想外の出来事に冷や汗をかいてしまう手術であった。尿膜管遺残でなくて救われた気がした。今度は事前に超音波画像診断装置で患部の状況確認をしなければならないと思った。
またまた失礼します。
先日、造袋術をやってみました。
超音波検査で肝臓との連絡が確認されたためですが、今回はつながっているような所見はなかったですか?
こんな風にきれいに取れると安心できますね。
>ankoさん
忙しくて返信がおそくなりました。写真を載せた僕の症例は膿瘍より先の肝円索はひも状で、つながってはいませんでした。ただ、運が良かっただけなので、それを考えると手術が終わってからぞっとしました。僕は幸か不幸か適応の症例に遭遇していませんので造袋術はやったことありません。
参考のためにと調べたのですが、日本語で利用できる文献は以下のみでしょうか?大先生がまだNOSAIにいたころの論文でびっくりしました。他にも家畜診療にも出ていますかね?
子牛における臍の感染症、日本獣医師会雑誌、Vol. 43 (1990) No. 11 P 793-797
http://doi.org/10.12935/jvma1951.43.793
この論文は見かけたことがある気が。。。
詳しくないもののちゃんと造袋術もされているんですね。
国内文献は手元になく、すべて海外文献を参考にやりました。と言っても先輩が訳したものを一緒に読んだだけですが(笑
他診療所ですが本組合でも他に2、3例やっているようです。
北海道は新規採用も多く、若い獣医師がたくさん補充されるので、知識の進展も早そうでよいですね!新陳代謝が遅いと、新しい情報がどうしても入りずらくなるような気がします。もちろん、新しい情報を学ぼうという個人の意思の力によりますけど。
日本語の詳細な論文はなさそうだとのこと、了解です。困ったら原著を読んでみます。