日本はBSEが契機となり、牛トレーサビリティ法が平成15年12月1日に施行された。これにより、国内に生存するすべての牛は、耳標番号の届出を行うことになった。つまり、国内にいる全ての牛は個体識別番号で管理されている。
それなのに、年末に残念な新聞記事を見かけた。内容はウルグアイの牛のトレーサビリティーについてで、その記事にはこのように書かれていた。
「同国は国産牛のトレーサビリティー(生産履歴を追跡する仕組み)の達成率100%を実現した世界で唯一の国だ。(AFP通信)」
(2014年12月30日、日本農業新聞2面より引用)
日本農業新聞がこのような記事を書いていて、正直、自分の目を疑った。が、何度読んでも確かにそう書いてあった。
どういう真意があるのかと、新聞社に電話をしたところ「日本ももちろんトレーサビリティー達成率100%であると認識しているが、元の記事にそう書いてあり直訳してしまった」としきりに謝られた。僕に謝ってもどうしようもない。本来なら、その引用元であるAFP通信の記事が間違っているって指摘しなければならなかったのだろう。
元の記事を探してみると、近い記事が2つ見つかった。
これらのニュースでは、確かにウルグアイがトレーサビリティー達成率100%の唯一、若しくは最初の国としっかり報道している。
こんなに大手の報道でも、このような記事が出るっていうのは、日本の発信力の無さを示しているようで悲しかった。そして、このような報道は農林水産省や家畜改良センターがしっかり間違っていることを指摘するべきではなかろうか。
北海道の産業動物獣医師です。
これ読みました。
yuotubeでもAFP通信の動画を見ることができした。
本当に残念というか頭にくるというか。。。
個体管理、識別による実益もありますが、安心安全という
「売り」になることも含めて一生懸命取り組んできたんじゃないのか!と空しくなります。
農水やその関係機関、農協、新聞等の報道も含めて発信すべきものをきちんと発信していたのかと疑問に思います。
確かに、開始当初からのシステムそのままで、本当に利用したいと思っている消費者のために創意工夫があったのかといえば正直感じられないです。日本人は安全なことになれすぎてしまって、国内でそういったニーズがなかったことも原因ではないかと思います。
動画をみて関心したのは、ウルグアイではQRコードがメインに利用されている点、検索画面が非常にみやすい印象を受けた点です。
>ankoさん
コメントありがとうございます。僕も感情の推移は、驚き→怒り→悲しみ、でした。
先輩獣医師から、個体識別番号装着時の苦労話も数多く聞いていたのも、怒りの気持ちがさらに強かったのかもしれません。
やはり日本の情報発信力の乏しさを感じるとともに、農業に関わる一市民としてもこのような海外の記事にも間違っているときは声を上げないといけないと思った次第です。
日本の知識層と自任している方々は、西洋人に弱いのでしょうか・・・?私も、どうもおかしい???と感じる時があります。
ある翻訳された専門書で、明らかな数値の間違いがあって、私は実際に調査して明白に間違いであることを、翻訳者や著者と親しいとおっしゃっていた日本の方々に知らせたのですが、どなたも著者に知らせてくれなかったです、、連絡先などは教えてくれたので、最終的に私がメールで指摘しました。。
原著者からはすぐに反応があり、それはよかったのですが、どうも納得がいきません、、本の翻訳者や推薦者の責任は?なぜ、私が指摘した時に、原著者の知り合いであるその人たちは行動してくれなかったの?
原著者に対して、遠慮があったのでしょうか。。
その方々は、数値の正誤について、私よりもずっと確かめやすい環境にあっただけに、科学者の態度としても、おかしいのではないか、と、納得できない気持ちがあります、、どちらが正しいかどうか、実際にすぐ確かめられたはずですのに、、
私の甘えでしょうか・・?どう思われますか??
ちょっと、このニュース記事顛末に似ているところがあるかと思いました、よろしくお願いします。
>きなこさん
返信が遅くなりました。そして、コメントありがとうございます。
日本人が西洋人に弱いというよりも、自分の英語に自信がない方が多いのではないでしょうか。それが、知識人であろうとも、素晴らしい肩書があろうとも、です。論文等もお金さえ出せば、翻訳してくれるのでガンガン投稿できますからね。
あとは、当事者の情熱ややる気ですかね。「もう済んだ仕事だしな…」ぐらいに思っているのかもしれません。
僕も近頃、人に頼るより自分で思ったこと・調べたことを伝える方がよっぽど簡単だと悟ってきまいた。やきもきするストレスが減りますからね。
ですので、きなこさんのように、間違っている事項を見つけたら、人に頼らず直接指摘していく方向を僕も選んでいます。
ありがとうございます。荒らしてしまったかと心配いたしました^^;
英語の壁はあるとおもいます、、同時に、上ばかり見て足元を見ていないところはないか?というのが不安なのです。自分もですけど。
立場によって、その重要度が違うという、数値でしたので、問題にならない恵まれた環境の後輩には「ま〜た、そんな重箱の隅をつついてるんですか〜^^」と言われました、ので「そ〜よ〜、そのと〜りよ〜」と、2年越しでじわじわイジメてやりました、、、と、いうのは冗談で^^;、そういう環境の違いや立場や肩書きに関係なく、ストレートに意見を交換できるのが理想なのだとおもいます。
牛の足元をよく見ていられるだいもでさんは大丈夫だと思います、
これからも英語の勉強がんばってください。
>きなこさん
心配させてしまいすみませんでした。月末のお仕事やらレポート書きやらで忙しかったのです。
応援ありがとうございます。ブログの更新は滞りがちですが、英語とは毎日戦っています♪