若手酪農家(関宿Milk Farmers)への削蹄実習のため、蹄をたくさん用意した。
実習後、診療所で裏ミッションに取り掛かった。それは、「浅趾屈腱と深趾屈腱はどこでどのように交差しているのか?」、「浅趾屈腱には本当に浅部と深部があるのか?」を調べるいうことだ。これらは、浅趾屈腱切断術をするうえで、ぜひ知っておきたい。
成牛の腱は明瞭なので、容易に分離していくことができる。まず、確かに浅趾屈腱には本当に浅部と深部があった。ただし、深部は非常に細く、中手骨の真ん中くらいで浅部と融合していた。
手前より、浅趾屈腱浅部、浅趾屈腱深部、深趾屈腱が位置している。
さらに、浅趾屈腱を追っていくと、深趾屈腱を包み込むようになっていた。ここからどのように交差するのか?
なんと、左右に分かれて交差していた。上の写真では白手袋が浅趾屈腱、青手袋が深趾屈腱、ハサミを浅趾屈腱と深趾屈腱の間に挿入している。つまり、深趾屈腱は浅趾屈腱でできたトンネルを通っていた。
省みると、子牛に浅趾屈腱切断術を行う場合、一番手前の腱が浅趾屈腱であり、浅趾屈腱の深部は細くて気付かないか浅部と融合している可能性がある。