昨日の続きです。
両前肢が先天性にナックルで起立不能の子牛であるが、より程度が重篤であった左前肢には外固定により矯正を試みた。外固定には、BOS副木Sサイズを半分に切った物を球節に装着し、キャスティングテープで巻いた。
手根関節の屈曲は残ったままであるが、この処置により球節は伸展したため、左前肢を伸ばした姿勢で起立できるようになった。がに股のような姿勢ではあるが…。
7日後、手根関節の屈曲も軽度になったことを確認し、キャストを除去することにした。
残念ながら球節の屈曲はまだ残ったままになっていた。しかし、左前肢も蹄尖で起立できるようになったことから、このまま経過観察することにした。
さらに7日も経つと、球節の屈曲も徐々に緩和され、ほとんど正常になった。
ここまで両前肢の重度な先天性屈腱短縮症も外固定だけでなんとかなる可能性は大きいと感じた。