乾乳手前の牛が食欲不振と、求診依頼があった。
微熱があり、濃厚飼料を食べない。しかし、乳房炎でもなく、他に炎症を疑う初見は無い。直腸検査にて、腹腔内にリンパ節の著しい腫大化を三つ認めた。
よく牛を観察すると、目の後方も腫大していた。おそらく、耳下腺リンパ節の腫脹であろう。
白血球数の増加は認められなかったが、クロマチンの高度な凝縮が多数あった。
地方病性牛白血病が疑われた。
牛白血病の好発症状の一つに眼球突出がある。これは、眼球深部のリンパ節の腫脹と書かれている。今回の耳下腺リンパ節の腫脹とはまた異なるのであろう。