「生まれたばかりの子牛の腸が、ヘソから出てきてしまっている。」と、直接電話を受けた。
すぐに腹壁破裂という先天性奇形だろうと判断し、予後を説明した。
農家に向かうと、子牛はビックリするほど元気で、腸が飛び出たまま立とうとしていた。そして盛んに足を振り回してしまっていた。自分の腸を傷つけながら…
残念ながら、空回腸の二箇所がすでに切断されており、腸管は糞と乾草に汚染されていた。甲斐なく、この子牛は間も無く死亡した。
腹壁破裂は腹壁の閉鎖不全で、明確な病因は不明だ。この閉鎖不全は、軽度だと臍ヘルニアだし、重度だと反転性裂胎に至る。
腹壁破裂は、大抵、衰弱した状態や死んでから呼ばれる。こんなに元気な状態は初めてであった。腸が切れてなければ、押し込んで縫合すれば一命を取り留めたのであろうか?
いただいた鴨は、美味しい焼鳥に変わった。少し硬いが、なかなかイケた。