乳頭内異物で搾乳できないと往診依頼があった。あまりない依頼なのに、連続して僕が行くことになった。
確かに、乳房は一つだけ張っており、乳頭内の基部に大型の異物があった。用手でも搾乳不可であった。
導乳管を挿入すると乳汁が排出できた。キシラジンを入れ、局所麻酔を行なった。
どんなに加圧しても、異物は乳頭口へ降りて来なかった。再び試験的切除鉗子の出番であった。手で誘導しながら、異物をゴリゴリと挟んでいった。細かな異物として徐々に排出され、とうとう異物の感覚がなくなった。
今回は、脂肪塊ではなく、乳腺の組織の一部のようであった。
今回のような、くっついた異物の除去には、切除鉗子様々なのであった。