ここ2~3カ月、砂糖を用いた外傷治療をやり続けている。治りやすい症例と、そうでもない症例がぼんやりと分かってきた。
こちらは、以前に砂糖を用いた外傷治療で良くなった症例2,3,4を行なった農家から、また外傷治療を依頼された。
牛は両後肢が悪い。特に、この左飛節は、自壊し、糞の鱗に覆われていた。
タワシでゴシゴシと洗い、ある程度壊死組織をデブリーメントしたがあまり取れなかった。このまま、砂糖浸漬療法をスタートした。
砂糖浸漬療法から7日後、表面の壊死組織はとろけており、引っ張るとべろりと剥がれ、内側からは肉芽の形成が始まっていた。しかし、欠損した部位はまだ大きい。
さらに砂糖浸漬療法かれ10日後、あっという間に内腔は塞がってきた。表面は膿のようなものに覆われているが、新鮮な肉芽が盛り上がってきた。さらに砂糖浸漬療法を試みたが、あとは傷が乾くのを待つだけだ。
このような、「開放型の外傷」では、ある程度感染創があっても、抗生物質の投与をせずとも比較的早期に治る。もちろん、包帯が取れない場所であればの話だが。
治りにくい症例とはどんなだ?
>greatezebra先生
コメントありがとうございます。治りにくい症例は、1.膿瘍からの瘻管が飛節に開口しているタイプ、2.関節炎が上方で自壊し、内部に大きなポケットを形成するタイプ、を今のところ経験しています。前者は、開口部は治ったものの、膿瘍を閉じ込めてしまいました。後者も、始めの開口部は治ったものの、内部の感染が持続しており、他の場所からの自壊を繰り返しました。まだまだ試行錯誤中ですが…