下腹部の乳房頭方が腫大化した牛がいた。
触ると、鎮静化してもものすごく痛がり、詳細な検査もできない。食欲や糞便に異常はない。しかし、猛烈に痛がって、立ちっぱなしになっているらしい。なんじゃこりゃー??血腫を疑うが、腹壁ヘルニアの可能性も考えられるため、ネット等の手術道具を用意して出直してくることにした。
二日後、診療に行くと、下腹部の病変は変わらないように見えるが、痛みは引いているようだった。まずは、超音波検査で、内容の確認をした。大きく高エコーの画像が広がり、腸管等ではないようだ。
針で吸引すると、膿を確認した。血腫ではなく、膿瘍だ!しかし、病変は大きく吸引ではらちがあかない。
太い針で刺して排膿した。約2Lの水様の膿を確認。
中を繰り返し洗浄し、排液したら、べっこりとへこんだ。
なんでこんなところに膿瘍ができたのだろうか?新年度早々、変な牛に当たって、ドキドキしてしまった。