3/2 第四胃潰瘍と腫瘍の関係


とある老齢牛が、急に食欲不振に陥った。ほとんど食欲はなくなり、黒色便をしていた。

目や陰部の粘膜面は白くなり、貧血に陥っていた。

血液検査をすると、赤血球は25万個、ヘマトクリット値16%であり、さらにTPも減少しており、血液の漏出が疑われた。白血球は1.2万個で、やや異形なリンパ球が多数認められた。LDHは8000を超えていた。
この牛は、第四胃潰瘍と診断をつけ治療を開始したが、初診から3日目で残念ながら死亡した。


原因究明のため、剖検をさせていただいた。

第四胃に付着する大網には腫瘍と思われる塊が少数認められた。

第四胃の内容は、黒色の胃液で満たされていた。

第四胃の粘膜面は、非常に脆弱化しており、全体的に充出血していた。さらに、ごつごつした塊が全体に侵食しており、割面は腫瘍塊と思われた。
この牛は、全身性腫瘍が第四胃を侵食した結果、粘膜から出血していたのであろう。
成書にも、第四胃潰瘍のタイプの一つとして、腫瘍の侵食を挙げている。現在、この腫瘍塊を病性鑑定してもらっているが、まぁアレなんだろうな…

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