2/28 先天性の腱異常


生まれつき、前肢の浅肢屈筋の腱が短縮化している牛に度々遭遇する。
短縮は、軽度で自力歩行できるようなら、自然に治る。すぐナックル化するものの、自力で起立できるようなら、ギブスで固定してリハビリすれば治る。重度で、自力の起立に至らない程だと、腱切除を行わないと治らないかもしれない。
今日、診療依頼のあった子牛は、一瞬は起立できるが、すぐに球節で負重してしまう。まずは、ギブス固定を試みた。試供品のカワイイ包帯を使ったら、カワイイ肢になってしまった(笑)。外す頃には、何とか治っていますように!!

さらに稀ではあるが、この腱が伸びて生まれてくる牛もいる。いわゆる、繋ぎの弱い牛である。

外科的に腱を切除して関節を伸ばすことはできるが、縮めることは難しい。この牛は治らないであろうと思っていたが、自然に肢は治癒して売られて行った。
生き物の世界は予測が外れる事も多い。


夕方は、他の先生のヘルプでお産に向かった。側頭位の胎子で、首の根元より先が全く触れなかった。
帝王切開が脳裏をよぎる中、格闘すること1時間。人工粘液をたくさん流し込み、首にチェーンを回し、耳に触れ、目に触れ、ようやく口に触ることができるようになった。死産であったが、子牛を出し終えた頃には、僕の握力はほとんどなくなっていた。
久し振りに全身汗だくで、ハッスル!ハッスル!

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