2/2 転んだら、開放骨折に…


とある和牛の繁殖と肥育をしている農家へ妊娠鑑定をしに行った。農家に着くと、先に到着していた新人さとちゃんがどことなくあわてている。
「ハプニングが起きました。」と彼は言った。
畜主が牛を捕まえようと追っていたら、牛が段差でつまずいて転んだという。パキッという音がしたらしい。なんとか立ったが、肢を全く着かなくなってしまった。

この和牛は元々肢を怪我していて、飛節の内側が膿んでいたらしい。肢を精査してみると、内側より血が出ている。そして、その部位より遠位がブラブラとしており、脱臼か骨折が疑われた。

恐る恐る患部に指をいれると、なんと骨に触れてしまった。骨の断面、おそらく遠位端が剥離してしまったようなギザギザを確認した。左後肢脛骨遠位端の剥離骨折なのであろう。
なんとか三本肢で立つが、回復の見込みはない。残念ながら、急遽、と畜することになった。
こんな時、レントゲンがあれば…と、思う。しかし、子牛の骨折でさえ一苦労なのに、成牛では勝ち目はないであろう。

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