とある農家のとある牛が、発情だと思っていたら、胎子がでてきてしまったらしい。
せっかくなので、お勉強させていただくことになった。
牛の胎盤は多胎盤。尿膜の表面に、後に丘阜と呼ばれる胎盤小葉がたくさんついている。
尿膜を切って、胎児をもっと見てみた。
頭尾長は5.3cmであった。約二ヶ月の胎児なので、順当な大きさだ。よく、胎子の大きさは、n×(n+2)と表記されるが、これは姿勢を伸ばした体長である。体長だと、2×4=8cmくらいになるようだ。
この胎子はまだ羊膜に包まれている。お産の時に二回破水するのは、それぞれ尿膜と羊膜が破れるからである。
胎児は臍動脈と臍静脈によって、胎盤とつながり、栄養素や酸素のやりとりを行っている。胎子は老廃物と二酸化炭素を含んだ静脈血を臍動脈で送り出し、胎盤にて栄養素と酸素に積み替え、動脈血が臍静脈によって胎児へと運び込まれる。
臍動脈は二本出ているらしい。確かに、臍帯炎で診る時に、動脈らしい太い血管断面を二つ見ることがあるが、どうやらこれが臍動脈の二本の断面ということだ。
勉強になります!