血液寒天培地に白い粉を吹くコロニー、クロモアガー酵素基質培地に水色のカサカサしたコロニーを作る牛乳サンプルがあった。
グラム染色しようと、コロニーを取ろうとしても、取れない。ガリガリと削るように染色をした。
グラム陽性の縮毛様の菌体が染まった。
これらの特徴を持つ菌、それはノカルジアである。放線菌の仲間で、環境性の乳房炎原因菌だ。
人では肺炎が一般的であり、検査時は菌体を吸い込まないようにしなければならない。
抗生物質にはあまり感受性を示さず、治療にも反応を示さないことが多い。
という訳で、この牛もニ分房からノカルジアが検出されたため、淘汰を勧めた。これも立派な難治性乳房炎だ。