まずはこの写真をご覧ください。
牛の鼻先です。何を見せたいか分からないでしょう。
アップしました。
なんと、コレは牛の模様ではないのです…。
さらにアップします。
これぞ、踊る大寄生虫群!
そうです。この牛はケブカウシジラミに多量感染されていました。
そして、この牛は7月に寄生が確認された牛と同一個体なのであった。エプリネックストピカルで駆虫して以来、5ヶ月ぶりの再確認。薬効を調べていると、理由がわかった。
類似体であるイベルメクチン製剤は動物に使用すると、皮膚や皮下組織に高い濃度で分布する。外部寄生虫は、この薬に対して、接触しても作用せず、経口摂取することで死ぬ。つまり、疥癬やウシバエに著効を示し、吸血シラミやダニにも効く。しかし、体表のフケなどを食べるハジラミには効かない。
もちろん、吸血シラミであるケブカウシジラミにも効く。事実、一度は見えなくなった。では、なぜ今再び彼らは繁栄しているのか?
答えは簡単だ。イベルメクチン製剤は、体表に付着していたシラミの卵には当然効かないのである。
卵が孵化した第二波も駆虫しなければならなかったのだ。理由がわかったからには、今度は二回駆除することにしよう!
それにしてもこの牛は散々な目にあっている。やっと受胎したと思ったら、後肢の関節炎が悪化し、ケブカウシジラミの寄生が見つかり、落ち着いたと思っていたら第四胃右方変位になり、手術中に再びケブカウシジラミが見つかった。なんとか回復したものの、乳量は出なくなり、長期乾乳になりました。