6/2 よくある話・よくある診療


一昨日の夜から急に仕事が忙しくなった。


夜、難産の連絡が来た。予定日までまだ一月ある牛が、朝から産気付いた様子だが、出て来ない。開業の獣医師を呼んだが、手に負えないという旨。他の獣医師に本格的に頼られたのは初めてかもしれない。
帝王切開を覚悟しながら大至急向かうと、すでに開業さんは諦めの表情だ。
体位を確認すると、尾位上胎向右側股関節屈折の胎子と、さらに前肢を触る。これは整復できるのではとチャレンジをした。右側の飛節になんとか触れられたので、ロープを絡ませてなんとか整復できた。娩出させると、小さなF1メスだが生きていた。
さて、きっともう一頭いる。
再び手を入れると、やはり両前肢を触った。しかし、頭がない。頭位上胎向側頭位だった。頭を探すも、肩部に阻まれて掴みどころが全くない。ここからが難産の本番だと覚悟した。
側頭位のまま肢を牽引し、首の根元を手前まで寄せると、なんとか首に産科チェーンをかけることができた。そこからが長かったが、人工粘液を流し入れて、胎子を押し込みながら、徐々に顔を引き寄せる。アドレナリンが出ているのが自分で分かった。
ようやく口元まで触れるようになり、整復できた。娩出させると、こちらはF1メスで、死産だった。
計1時間の格闘だった。
双子の早産、よくある話かもしれない。


翌日は朝から4件が急ぎの診療。
4件目が一番重篤で、即手術になった。第四位右方変位。
よくある話かもしれない。

手術時、畜主が牛の日差しよけにパラソルを用意してくれた。これは、、、、よくある話ではない[emoji:v-405]

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