Arcanobacterium pyogenesは、特徴的なコロニーを形成するので、慣れれば簡単に識別できるようになる。
写真は血液寒天培地とクロモアガー酵素基質培地で48時間好気培養したもの。微小なコロニーが一面にべったり生えることも多く、見慣れていないと「菌が生えていない」と勘違いしてしまう。
そんな時は、蛍光灯などに培地をかざして見ると、明瞭なβ溶血をしているのが分かる。
また、発育の悪い菌も多く、菌種が判断つかないような小さな菌は必ず48時間培養した方が良い。そうすると、β溶血もはっきり見えるようになり、Arcanobacterium pyogenesと分かるかもしれない。
クロモアガー酵素基質培地上には明瞭なコロニーを形成しない。が、うすぼんやりと紫色の何かが見えることもよくある。が、100%でもないし、あまり当てにはしてはいけないと僕は思っている。
もちろん、細菌学の基礎はグラム染色なので、染めることも重要だ。グラム陽性の桿菌がたくさん見えるはずだ。
Arcanobacterium pyogenesは、まずは培地上に生えていることを見逃さないことがとても重要なのだ。