論文の紹介


今週のNature誌に面白そうな論文が載っていたので紹介します!
West-Nile Virusと鳥類の動態に関する論文です。日本語のabstractだけだとちょっと良く分からないかも知れませんが、転載しておきます。
さらっと、中身を見てみると、各種鳥類の観察記録とつき合わせてWest-Nile Virusの影響を評価している感じです。定量化して使えるデータがちゃんとあるってとろこがすばらしいですね☆
さて、これを見てふと思ったんですが…
日本には論文等に使える観察記録のデータベースは存在するのだろうか??
日本野鳥の会、山階鳥類研究所、鳥類保護連盟、日本鳥学会etc…いろいろ団体はあるけれど、辺縁の記録を統合してはいないのだろうか?
例えば、野鳥の会の”ある支部”で記録を報告したら、その情報はどこまで上に報告が上がるのだろうか?その支部止まりなのだろうか?いまいち全体像が見えないような気がして仕方がない。
一斉カウントとかも、地域ごとだったり、小さな団体や個人がやっているのしか知りません。
誰か教えてください…
…ん。というか、いま思い出したけど、それが「モニ1000」なのかな。一般のウォッチャーは参加できないけど。
モニタリングサイト1000
http://www.biodic.go.jp/moni1000.html
以下転載
生態:ウエストナイルウイルスの到来と北アメリカ鳥類個体群の大規模な減少 . (Title in English; West Nile virus emergence and large-scale declines of North American bird populations).
Shannon L. LaDeau1, A. Marm Kilpatrick2 & Peter P. Marra1
1. Smithsonian Migratory Bird Center, National Zoological Park, Washington DC 20008, USA
2. Consortium for Conservation Medicine, New York, New York 10001, USA
Correspondence to: Shannon L. LaDeau1 Correspondence and requests for materials should be addressed to S.L.L. (Email: ladeaus@si.edu).

新興感染症は、21世紀における在来種保全にとって大変な難題となる。移入された病原体が引き起こす疾患は、アメリカグリ、ハワイ産鳥類、そして多くの両生類などで、種の豊富さに大きな影響を与えてきた。宿主個体群サイズの変化は、群集組成と生態系機能に著しい変化をもたらす可能性がある。しかしながら、移入された感染症のもたらした影響を特定し、それを(気象条件のような)個体群動態に影響する他の外力と区別することは困難であり、これを行うためには移入前後にわたる多量のデータが必要である。今回我々は、Breeding Bird Survey(BBS;繁殖期鳥類カウント調査)から得られた26年間の記録データを用い、北アメリカに生息し、宿主となる可能性がある20種の鳥類についてウエストナイルウイルス(WNV)の影響を判定した。そして、4科7種について個体群サイズの重要な変化が実証された。この結果は、事前予測および、時空間的な病原体伝播の強度と一致するものである。アメリカガラスの個体数はWNVの移入以後、以前の45%まで減少した。また、影響を受けた7種のうち、2005年までにWNV移入以前の状態まで回復したのは2種のみであった。これらの結果は、1つの侵入種が多様な動物群集にさまざまな地理的スケールで影響を与えうることを明らかにしており、侵入以後の群集の応答が複雑であることをはっきり示している。

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