2021/2/23 もやし残渣の製造工程の見学


もやし残渣はタンパク質が豊富な有用なエコフィードで、僕は飼料設計を依頼されると、好んで使っている。

しかし、なぜもやし残渣が多量に発生するのか長らく理解できなかったので、もやし工場へ連れて行ってもらった。

連れて行ってもらったのは茨城県内の山の麓の工場だ。何でも、もやしの生産には多量の水が必要なので、水が豊富な場所にしか工場がないのだとか。話し合いの後、工場内を実際に見せていただいた。

緑豆の皮は洗い流され、根は切られる。

製造ラインから落ちてしまうもやしも発生することが分かる。

工場内から集められたもやし、根、皮は外で洗われる。

もやし残渣のみがベルトコンベアで運ばれる。

もやし残渣は切断され、蟻酸を添加される。

蟻酸は大型タンクから吸い上げられる。

pHが4くらいになり、切断されたもやし残渣が出来上がる。

トランスバックに貯めてから、畜産農家へ出荷される。

もやし残渣の一連の工程を視察でき、大変有益であった。こうやって立派な酢漬けのもやしが出来上がるんだね!!

2021/1/29 卵巣腫瘍の摘出手術


卵巣の腫瘍の疑いの強い牛に対して卵巣摘出手術を依頼された。

卵巣切除術は立位、経腟で挑戦しているが、今回が2例目。改善点は多いものの、40分くらいで終了。キレイに摘出ができました。直径8cm位で、ほぼ円形であった。病理検査に出すので、腫瘍の種類は後日に判明するであろう。

出血も少ないので、順調に回復してくれるかな!

2021/1/19 臍帯膿瘍と臍ヘルニア


出荷前の子牛の臍が腫れていると診療依頼があった。直径15cmほどの腫瘤となっていた。このままでは市場に出せないので手術で摘出することにした。

傍正中に切開を加え、状態を把握する。大網が臍ヘルニアの内部に癒着していた。剥離した後、臍の腫瘤を摘出した。

摘出した腫瘤を切開すると、多量の膿が出てきた。臍帯炎の残りが膿瘍と化したのであろう。臍ヘルニアと臍帯膿瘍の併発であった。

今回は臍ヘルニアの内部に癒着していたのは大網であったので大事には至らなかった。しかし、もし腸管が癒着して嵌入すると嵌頓ヘルニアになるのかも知れないと思った。

2021/1/8【WANTED】生殖器奇形牛の血液


投稿がだいぶ間を空いてしまいましたが、本年もどうぞよろしくお願いします。

早速ですが、研究への協力依頼があります。

現在、JRA畜産振興事業において、乳牛の生殖器奇形の原因遺伝子の特定に取り組んでいます(下記リンク55、生殖器奇形原因遺伝子保因牛の鑑別と淘汰技術開発事)。
https://www.jra.go.jp/company/social/livestock/about/pdf/chi_r02.pdf

対象とする生殖器奇形は、重複子宮、二重頸管、重複外子宮口、肉柱といった中腎傍管(ミュラー管)融合不全と、単角子宮(2型ホワイトヘイファー病)です。詳しくは、添付した解説記事をご覧いただけると幸いです(家畜診療誌の講座)。なお、外尿道口付近に膜を有する腟弁は調査対象外です。

つきましては、腟鏡で肉眼的に診断した重複子宮、二重頸管、重複外子宮口、肉柱といった中腎傍管(ミュラー管)融合不全を有した牛、直腸検査や超音波画像診断装置で診断した単角子宮(2型ホワイトヘイファー病)を有した牛を知っている方は、原因遺伝子特定のための採血にぜひ協力いただけないでしょうか?特定に必要なSNIP検査では、EDTA採血管を使用した最低2mLの量の採血が不可欠です。牛であれば品種は問いません。

もし協力いただける場合は、採血管に個体識別番号を必ず記載し、2021年の2月末までに以下の住所へ送付していただけないでしょうか?冷凍便の着払いで大丈夫です。送り状の品名の欄には「JRA事業」と書き添えていただけると助かります。
**********
〒113-8657
東京都文京区弥生1−1−1
東京大学 獣医繁殖育種学研究室
松田 二子
Tel: 03-5841-5381
**********
また、どのような奇形を有していたかのメモ書きと送付者の連絡先も同封ください。奇形の情報については石山にメールでご連絡いただいても構いません(daimode@gmail.com)。

お手数をおかけしますが調査にご協力いただけると嬉しいです。もし質問や、採血道具が必要なようでしたら私までご連絡ください。どうぞよろしくお願いいたします。